定義
心が削られないかまで、私たちは計算するようになった。
コスパやタイパの次に、心が削られないかを気にする場面が増えています。選択肢が多すぎる買い物、終わらない通知、返信の圧、失敗したくない空気、摩擦を避けたい働き方。便利になったはずなのに、心だけが先に疲れていくことがあります。
この本は、メンタルコスパを自己啓発の手順ではなく、時代の見え方として扱います。選択疲れ、つながり疲れ、見られ続ける不安、役に立つことから降りにくい空気を、セネカ、荘子、徒然草、方丈記、ラッセル、フロムの視点と重ねて読みます。
心のコストを考えること自体は悪いことではありません。問題は、損をしないように避け続けるほど、経験や関係まで細っていくことです。メンタルコスパは、疲れを責めず、何が負担になっているのかを少し遠くから見るための言葉です。
本書で扱う内容
12節- 心の負担まで計算する時代
- 選択疲れは、自由の顔をしてやってくる
- つながり疲れと見られ続ける不安
- 摩擦を避ける社会
- セネカは、奪われる時間を見た
- 荘子は、役に立つことから少し降りる
- 徒然草は、人づきあいに余白を置く
- 方丈記は、小さく持つ自由を教える
- ラッセルは、暇の価値を取り戻す
- フロムは、自由の重さを見抜く
- 心の損得勘定を読み替える
- メンタルコスパの先へ